テストやら入稿やらゴタゴタしていたものが漸く片付き、一息つきました。友人が書いたものをリメイクしたものを載せまする。早いうちにコミケの告知等も載せます。
昏い部屋の中に、少女の声が響いた。
望みのない悲鳴のアンサンブルを奏でる少女を、小さな電灯だけが冷たく照らす。
「どうして……こんなことっ」
――するのですか?
残酷な腸の唸りはか細い声の哀願すら許さず、少女を苦しめる。
暗く照らし出される白い肌には、いくつもの蚯蚓腫れが走っていた。
闇夜に溶けるような黒い髪は、丁寧に手入れされていたのか、未だに光を失っていない。
汗や涙、涎まで垂れ流しながら歪む少女の表情は、その幼さには似合わない色気を放っている。
冷たい金属の塊は彼女をこの倒錯した世界の中に縛り続ける。
息を止めるような仕草。
何かに耐えるような、苦悶の表情。
激しくなる呼吸に、溢れ出る涙。
彼女を拘束しているのは、鎖や手錠だけではなかった。
「もう……げ、限界です……お、おトイレ、いかせて、くださぁ……っ!」
「駄目だ」
彼女の哀願を、男は一蹴する。
取り付く島もないことは分かっていても、解放を求める本能が今一度彼女の口を動かした。
「お、お願いですっ、私、もう……が、我慢がっ!?」
牛革の鞭は部屋に澄んだ音を立たせ、白い肌にもう一匹の蚯蚓を走らせた。
高鳴る悲鳴に、男は口を歪ませて笑った。
「うるせぇ。お前は自分の立場というものを、わかってねぇようだな」
「な、何を……」
男は煙草に火をつけ一服すると、感情のない声で告げた。
「お前の親父さんは事業に失敗して、俺の事務所に借金がある。で、これを返すために、お前を俺に売った。つまり、お前は、俺のものなんだよ」
「お、お父様が、そんなこと」
「そのお父様に聞いてみるか?もっとも、今お前じゃ足りない額を作るために解体中だけどな」
「……いぃ」
「いやぁとか悲鳴は上げるなよ。うるせぇからさ」
少女は男の告げた現実に恐怖し、顔を引き攣らせる。
男はますます歪に喜色を浮かべた。
「で、今どうよ。ヤバい感じか?」
「いぃぃぁぁぁっ……!」
笑いながら少女の腹をわし掴んだ。
「安心しろよ。だからこんなガキくせぇもんつけてるんだしよ」
男は口を大きく歪ませながら、少女に意識させるために尻を摩る。
そこにあるのは、ビニール製の紙おむつだ。
それも、幼児用の。
少女とも呼べない幼い子どもの為に作られた小さな紙おむつは、ショーツのそれと殆ど大差がないヒップラインを浮かべている。
近くに落ちた注射器は、水などを注入できる、所謂浣腸器だった。
それいっぱいに満たされたグリセリン溶液は、彼女の腹の中で止めを刺さんと猛威をふるっている。
「でも、まさか本当に穿けるとは、思わなかったぜ」
男はあまりのおむつを少女の眼前に突きつけ、ニヤニヤと笑いだす。
「最近は小学生でも穿けるサイズってのも売ってるんだな」
時間稼ぐように、心を揺さぶるように。
「でも恥ずかしいよなぁ?中学生にもなっておむつ穿いてるなんてな」
「…………やぁ」
「それも胸だけこんなに成長してるくせに、あそこは無毛ときたもんだ」
「……いやぁ……っ」
「で、どうだよ?体の中を掃除される気分はよぉ」
「そんなことぉ……言わないでぇ……」
「誰がそんな口のきき方認めたのかよっ!」
「がっ……!」
少女の言葉が男の逆鱗に触れ、腹への蹴りが炸裂した。
と同時に、水の弾ける音が響く。
気泡交じりの、汚い音だった。
あっというまにお尻の一面が茶色く覆われ、それを追いかけるように硬いうんちがおむつを膨らませていった。更に熟成された苦みと甘みが混ざった臭いが追随して部屋に拡がっていく。
「あ、ああっ、でてるぅ、でてるよぉっ、だめ、おもらし、だめぇ……」
溜めこまれた大便の噴水はやすやすとは止まらない。腸は久々に許された蠕動に歓喜の声をあげ、宿主の意思など構わずに汚物を吐き出し続ける。
必死の抵抗の源になった羞恥心も汚泥とともにおむつに吐き出され、本能が快感に塗り替えてゆく。
涙を流し、恥じらいを完全に捨てた少女はただ気の赴くままに排泄する。薄手のおむつは怒涛の濁流に抗えず、あどけないヒップラインを完全に歪めてしまった。
「や、きたない、でも、きもちいい……?ちがっ、わたしっ、ちがうっ」
汚泥の噴出に呼応し、ついにもう一つの奔流がおむつを満たし始めた。幼児用のそれが少女の限界ギリギリの失禁に対応できるわけがない。濁った破裂音とくぐもった高周波音の二重奏をBGMに、彼女の足の付け根から一筋、また一筋と茶色い液体が垂れ始めた。
おもらしの勢いと量に耐えきれなくなった小さなおむつはずり落ち、禁忌に満ちた失禁のベールを脱ぎはじめた。それでもおしっこの音が大きくならないのは、理性を限界まで削り取られた少女のせめてもの抵抗である。
「おいおい、どれだけ出すんだよ。おむつが落ちてるじゃないか」
男の声も全く耳に入らず、排泄ショーは続く。横漏れ防止ギャザーを超えたうんちは、敏感な内股を撫でながらズルリとおむつを己の重さで引き下げた。
「ひゃぁうん!!」
ビクン、と彼女の身体が痙攣すると同時に少女の心はとうとう折れた。黄金に輝く泉の噴出が本格的に始まった。排泄音のデュエットの主旋律はおしっこの音に変わり、それでも桃色の蕾からは液状のうんちの噴出音が止まらない。排泄物が床に叩きつけられる無機質な音は、打楽器となって汚辱の演奏にアクセントを加えた。
「あ、これで、さいごぉ……んっ、んっ、はぁあぁ……」
羞恥心まで排泄しつくした彼女は大きく力み、残った固まりを排泄した。
それは重力に従ってボトリと落ち、茶色の湖に飛沫と波紋を作ってエンドロールを迎えた。
小さい子供の為にとデザインされたおむつは限界まで膨らみ、褐色に染まり、元の姿など面影がないほどに汚されつくしていた。少女の股ぐらと内股は排泄物のカクテルにぐちゃぐちゃに塗られている。部屋の中は可憐な少女のものとは信じがたい、強烈な悪臭に覆われていた。
彼女は男の侮蔑の視線には全く気がつかず、緩みきった表情で刹那の余韻に浸っていた。